セルフライナーノーツ チン拳



フォッフォッ読者諸君・・・調子はどうかね?COMIC HAND JOBじゃよ。

今回もまたセルフライナーノーツを用意したんじゃがネタバレは特に無くてのう・・・。

いきなりこっちを読んでも差し支えはあるまいて・・・フォッフォッフォッ・・・。

それではいろいろと書いてみるとするかのう・・・。




懸命な読者諸氏ならば見てお分かりになると思うが、今回はバトル漫画じゃよ。

実は今までこの手のスタイルは描いてて疲れるって理由で避けてきたんじゃがな・・・。

技術的にも至らずやり方もサッパリ判らなんだで描く事は無いとずっと思っておったんじゃが

テクニック的にここ数年でかなり向上したと思い思い切ってやってみたんじゃよ。

まぁ確かに描いてて疲労はあったのう・・・。ジジイにゃ酷じゃよ、フォッフォッフォッ・・・!




ただ本作はどちらかといったら所謂少年漫画の王道的な熱血バトルモノと呼べるような

代物ではなく、やはり映画・・・それもB級カンフー映画からの影響が濃い一本になっとるんじゃよ。

漫画のバトルモノはそのシーンだけで起承転結がきっちりあり物語の中の物語みたいになっておって

まぁモノにもよるがクオリティーは高く脚本として見られるレベルに達しておるんじゃが

映画のバトルシーンは生身の人間の身体能力だったり、最近はCGも多いんで映像の凄さを見せる方向に

向いておってな。その分流れとしてはいささか単純な傾向があってのう・・・。本作はそういった

映画の流れを汲んでおるんでバトル中の駆け引きやら知恵比べ、ドラマ性を期待するとまぁ

肩透かしどころか一本背負い、山嵐、ツームストンパイルドライバーモンじゃろうてフォッフォッフォッ!

こういう部分もあってバトルモノは今まで苦手じゃったんじゃよ・・・。

ただまぁよくあるバトル漫画の欠点は全体的なストーリーにあってな、どの漫画も

ただ闘い続けるだけの内容になっておりそこら辺はワシの好みではなくてのう・・・。

本作はその分非常にウチらしい作風と言うか何と言うか、ストーリーに関しては

いつも通り練り込んであるんでその辺を楽しんで頂けたらこれ幸いじゃて・・・。




そんなわけでカンフー映画、格闘映画の影響を受けて作られた本作じゃが

トップに記した通り判る人には判るじゃろうがうちの作品にしては珍しく

パロディー、オマージュを前面に押し出した作りになっておってのう・・・!

カンフー映画、格闘映画からいろいろなネタを意図的に拝借させてもらっておるわい!

果たしていくつ元ネタを見つけられるか!?そういった楽しみ方をして頂けると何よりじゃ・・・!

何せワシはハリウッドで実写化された北斗の拳を3回くらい見たほどの男じゃからのう!

あれは最悪の経験じゃったわい・・・フォッフォッフォッ・・・!




一応元ネタ発表、解説も下の方で記しておくんで参考までにしてくれい!

ちなみに本作は人気出る出ないに関わらず続編の予定がすでにあるんでそれも

楽しみにしてて頂きたいのう・・・。何!?映画の続編は必ずコケるからやめろじゃと!?

知るか!!







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映画拝借ネタ解説



ギャングの武装が基本的に斧なのは大体のB級カンフー映画のお約束。

とりあえずはドニー・イェンの「新・ドラゴン危機一発」が全体のイメージ。



冒頭における地下の賭け試合で最後に出てくる道具に頼りまくりの大男は

トニー・ジャー主演の有名ムエタイ映画「マッハ!!!!!!!!」から。






マン拳寺でアンバー・リンと闘うシーンはチャウ・シンチーのおバカカンフー映画

「カンフー・ハッスル」の、琴で攻撃する敵のシーンからの拝借。






布をきつく絞る事により棒として使うシーンはジェット・リーの若き日の出世作

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズでドニー・イェン演じる

提督と闘う前に竹の中で演舞するシーンから。






火が付き燃えるサオとタマで突進するシーンは上記のムエタイ映画「マッハ!!!!!!!!」から。






ムエタイ使いが繰り出す必殺の3段蹴りは知る人ぞ知るカルトキックボクシング映画

「キング・オブ・キックボクサー」で敵が繰り出す技をまんま再現。この技を破るために

行った丸太の修行も最後の蹴りを交わして一本背負いで投げ飛ばすのも同じ。

ちなみにこの敵の黒人はのちに「ビリーズ・ブートキャンプ」で一世を風靡する

ビリー・ブランクス隊長の若き日の姿である。







負けたサオシンが「チン拳の達人」と書かれたフンドシ一丁で吊るされるのは

ジャッキー・チェンの「酔拳2」から。



丸太を除く修行シーンは名作「少林寺三十六房」の修行シーンから一部を拝借。

修行がのちに生きるのも元ネタと同じ。







アンバー・リンが町で警察に追われ逃げるも敵に捕まってしまうシーンは

ブルース・リーの言わずと知れた超有名作「燃えよドラゴン」でリーの妹が

ハンの手下に追われオハラに見つかってしまうシーンをイメージ。




サオシンが柔道場で暴れ闘うシーンはこれまたブルース・リーの名作「ドラゴン怒りの鉄拳」から。






地下の闘技場で棒術、ヌンチャク使いと闘うシーンはこれまたブルース・リーの「死亡遊戯」の

有名な後半、塔に登りダン・イノサントと闘うシーンをイメージ。







ムエタイ使いがなぜかいる狼を靴の踵につけた歯車で喉をかっ切るシーンは

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」から。







ムエタイ使いがオカマだというのはスティーヴン・セガール主演の「沈黙の聖戦」から拝借。

作中でオカマが一番綺麗な顔立ちなのも同じ。



物語後半で襲い来るギャングの手足を次々とへし折っていくシーンはトニー・ジャーの

「トム・ヤム・クン!」から49人連続関節極めシーンのオマージュ。







セックス性拳でチオドスを倒し建物に巨大な穴が開くシーンは「カンフー・ハッスル」の

ラストの有名なシーンから拝借。









ラストで銃を構える警官隊に突っ込んでいくのは「ドラゴン怒りの鉄拳」のラストシーンのオマージュ。