アンジェリカ 〜少女に捧げられた無償の愛〜  あとがき







COMIC HAND JOB初のシリアスなストーリーマンガです。


いかがだったでしょうか。


メロウさ、メランコリックさに満ちた叙情性。


泣き、哀愁、エモーション…。


ギャグだけではありません。


こういう表現も音楽から学びました。


本作が皆さんにとって


些細な幸福の切欠となれば幸いです。






そんなわけでして…。








本作「アンジェリカ 〜少女に捧げられた無償の愛〜」、


実はこのサイトが世に公開される前からずっと製作してました。


構想、ネームにおよそ半年、


そしておよそ3年かけてじっくりと描いていました。


ここ数年のライフワークとも言うべき作品です。





描こうと思ったきっかけは…


やはり音楽でした。


エモーショナル・ハードコア、


通称「エモコア」…


その中でも特に叙情派と呼ばれるバンド、


所謂「ビューティフル・エモ」


こう呼ばれるジャンルが一つ、


あとはメタルの世界で一大勢力を築き上げて久しい


「北欧メタル」


この2つを基本として世界観を構築していきました。


WAKING ASHLANDやDREAM STATE、MaeからELLIOT MINOR、COPELAND…


さらに日本のOCEANLANE、Last Alliance、Dirty Old Men、BIGMAMA等など…


他にも日本のバンドでONE OK ROCKやHawaiian6辺りの影響が強いです。


女性ヴォーカルのUNLIMITSからも大きな影響がありますね。


パンクがルーツですがここら辺のバンドは本当に美しい音を出しています。


文字通りのエモーショナルさです。
































どんなに疾走しようとも決して明るくなれない陰りあるムード。


リスナーの琴線を掻き毟る胸を焦がす哀愁のメロディー。


いいですね。


最高です。





そしてもう一つ、スカンジナビア発祥の一大メタルジャンル、


北欧メタルからの影響も同じくらい大きいです。


雪降りしきる辺り一面の銀世界、


広大な大自然、白夜、オーロラ…


まさしくアンジェリカの世界そのままです。


北欧メタルと一口に言っても多々ありますが、


本作はフィンランドの実力派バンド、SONATA ARCTICAから影響を受けました。




















透明感に満ちたシンセサイザー、愁いを帯びたメロディー、


北欧特有の濡れているかのような冷たい叙情性…


やはり最高です。


本作を描くにあたっては特に最後に紹介した珠玉のバラード、


「Good Enough Is Good Enough」から特に影響されています。


ちなみに歌詞には影響を受けてないです。あくまで曲ですね。








今まで私はこういうジャンルを避けていました。


静かに、淡々と展開するストーリー構成、


メロウさの演出に重きを置いた情景描写…


読む事も描く事も無いだろうと思っていましたが…


その一方で…


こういう世界観に対する憧れも心の奥底にあったのだと思います。


でなければメロディックメタルなんて聴いてないと思います。


ポップパンクやラウドロック、デスメタルばかり聴いていたでしょうね。


ですが…


メロディアスな音楽も大好きです。


本作はそんな私の望郷、情景、エモーションを自分なりに表現しました。


賛否あると思います。


気に入ってくれとは言いません。


だけど…


あなたの心の片隅に、何かが残れば幸いです。








…あとがき(セルフライナーノーツ)まで真面目ですね。


ごめんなさい。


でも…、


いいじゃないですか。


何でもあり。


芸術に、創作に縛りや制限なんてありません。


想像の翼を自由に目いっぱい羽ばたかせ、


空想の空を舞う。


そこには…


本当の意味での自由が、


開放が、


そして…


幸福があるのだと思います。





皆さんも承知の通り、


世界とは時に残酷です。


つらい事もいっぱいあるけど、


それでも私たちは前に進んでいかなければなりません。


COMIC HAND JOBから、読んでくれた全ての人、


私に影響を与えてくれた全てに…





愛を込めて…。







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背景素材  STAR DUST