GOTHIC METAL セルフライナーノーツ
よく来たわね、死と退廃と耽美の世界へ・・・。妖花の花粉が降り注ぐ、
「DEATH METAL」シリーズ第三弾、その名も「GOTHIC METAL」よ。
気付けばこのシリーズも通算3作目の高みに到達、まさしくDEATH METALサーガと
呼ぶに相応しい世界観の広がりを見せているわね。
そもそもゴシックとは元はゴート人による建築の事だけど、その独特の様式が
ジャンルを超越して様々なシーンに進出、サブカルチャーのいちジャンルとして
その立ち位置を定着させて来ている印象があるけど、ここでは音楽におけるゴシックを語るわね。
元はパンクから派生したジャンルで、暗く沈み込むようなダークで淡々とした世界観は
ニューウェイヴ、ニューロマンティック、ポジティヴパンク等と呼ばれゴス系の人間の間で
親しまれてきたんだけど、やはり80年代のパンクなので演奏技術、作曲能力は低くあくまでも
雰囲気モノの領域から脱却する事は出来なかったわ・・・。
だけど90年代に入りヘヴィメタルシーンからこういったゴシック要素に接近するバンドが登場、
イギリス出身の当時デスメタルをプレイしていたバンド、パラダイス・ロストが2ndアルバムにおいて
禍々しいデスメタルサウンドに女性ヴォーカルやストリングスを導入、それまでに無かった
新鮮な音作りはシーンに衝撃を与え、アルバムタイトル“GOTHIC”から新たに
ゴシックメタルなるサブジャンルが誕生したのよ。
その後数多くのフォロワーがシーンに誕生、その過程でさらなるオーケストラの増強、
デスメタル要素を完全に廃し女性ヴォーカルを前面に押し出したフィメール・シンフォニックゴシックや
男ヴォーカルなれどこれまたデスメタル要素を無くし、ハイトーンVoが主体のヘヴィメタルにおいて
ニューウェイヴ直系のディープな低音Voで歌われるメランコリック・ゴシック、果てはデジタル要素を
導入したバンド等ゴシックメタルの名の元に様々なスタイルが生まれ、その流れは今なお世界中に広がっているわ。
さらに日本国内では独自のゴシック文化が広がりを見せ、上記のニューウェイヴを独自に
咀嚼し消化吸収して生まれたのが所謂ヴィジュアル系で、さらに2000年代後半
アキバ・カルチャーから派生したゴシック文化とシンフォニックメタルや
メロディックスピードメタルが融合、それらは同人ゴシック等と呼ばれており、
今流行りの嬢メタルと揃って今やジャパニーズメタルを語るにおいて
決して欠かせない巨大勢力と化した感があるのよ。
※ちなみに今回のライナーノーツはDCコミックの“サンドマン”に出てくる“デス”を
イメージして読んでくれればこれ幸いだこの野郎!寿司食わせろ!
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